2025年6月キッズドームソライ等利用料軽減の実証実験に対する修正
●キッズドームソライ等利用料軽減の実証実験に対する修正案
6月議会に、令和7年度の一般会計補正予算が提起され、こどもの遊び場利用料軽減実証事業35,850千円の歳出に修正案が出されました。
修正案は、こどもの遊び場利用料軽減実証事業として提案されているが、3月議会で修正された遊戯施設利用料軽減事業の延長線上にあり、昨年度実施した事業(キッズドームソライの実証実験)に、こがたランドと山形県県民の海・プールスパールを加えただけのものである。
議会は、こどもの遊び場について、根本的な方針を示すべきであるという附帯決議等も提起しており、市の検討不足が不足しているとして、討論後に採決の結果、修正案が可決され、補正予算を見直すことになりました。
【市原案】
令和8年度以降のこどもの遊び場の利用料軽減に向けて、公募の仕組みの構築をはかるための実証実験として、3施設(キッズドームソライ、こがたランド、山形県県民の海・プールスパール)の利用料を軽減するとともに、遊びについてのアンケートやヒアリング等の調査行う。
●実施期間 令和7年8月1日~令和8年3月31日
●軽減内容 市内在住の0歳児~小学生及び付き添いの保護者1名の利用料を無料
●軽減方法 3施設を無料利用できる共通パスポート「遊び場利用パスポート」を配布
【修正案】
6月議会に提起された議第57号令和7年度鶴岡市一般会計補正予算、第3款第2項第3目「こどもの遊び場利用料軽減実証事業35,850千円の減額修正を求める。
●令和7年度補正予算の一部修正案に賛成討論
●6月の定例会、補正予算の一部修正案に賛成の討論(工藤博)
この度の補正予算には、3月議会で修正された、キッズドームソライの小学生までの無償化を含む利用料軽減の事業に関連する実証実験を行うものですが、この提案について、これまでの議会における討論が反映されていないと考え、予算の一部を修正する提案に賛成するものです。
その理由として
【1点目は】
令和6年度の鶴岡市一般会計予算において、遊戯施設利用料軽減事業補助金に係る実証事業に関する附帯決議について、市として十分協議していないという問題です。
3項目にわたる附帯決議は、「日本共産党鶴岡市議団・坂本昌枝栄議員」「SDGs鶴ヶ岡・田中宏議員」「市民フォーラムはわたし」「鶴岡市議会公明党・秋葉雄議員」「創政クラブ・佐藤博幸議員」の5名により提出されています。
わたしたち議員は市政に問いかけることが役割であり、附帯決議は市全体のこども達にむけた市政をどの様にするのかを問いかけています。
その後の議会に対する市の説明が不十分と考えますが、附帯決議を提出した議員は、これまでの対応に納得しているとは思えないのです。
【2点目は】
利用料軽減の実証実験が、子育て支援事業に寄与する内容になっているのかという疑問です。
この度、提案されている実証実験では、山形県県民の海・プールスパールと、こがたランドの対象施設を増やし、冬期間までを設定していますが、令和6年度に実施した実証実験とほんど変わらない内容になっています。
6月19日の厚生常任委員会で、山形県県民の海・プールスパールの一部が冬期間の利用が出来ないことが話し合われました。
利用回数など、施設によって偏りが生じてしまうのではないかとの疑問も出されており、結果、キッズドームソライの冬期間利用が付加された実証実験になってしまう恐れがあります。
子育て世代に向けたアンケートの実施についても意見が出され、今後、検討していくとのことでしたが明確な方向が示されませんでした。
多種多様の施設を含めた実証実験によるデータを取ることが、多くのこどもの遊びを保障することにつながり、子育て世代に向けたアンケートを実施して、多くの民意を反映させるため、幅の広い取り組みを行うべきだと考えます。
【3点目は】
利用料金と無料化に関する整理が不十分であることです。
キッズドームソライを無料体験した親子モニターのアンケートで、適正と思う利用料金を聞いた結果では、3歳以上の子どもは500円が41.2%、付添の大人の利用料金500円が33.9%となっています。
無料化という回答も多いようですが、500円が妥当だと回答としている利用者も多いのがアンケートの結果です。
アンケートの結果を踏まえると、行政として無料化を選択することが妥当だとすることに疑問があります。
厚生常任委員会で「子どもの遊び場に関する協議会」の際に「500円を払ってでも、キッズドームソライに行く人が増えるかどうか」との意見があったことが紹介されましたが、利用料の軽減がキッズドームソライ利用者数を増やすことが目的になっているように聞こえます。
受益者負担は、行政サービスを受けるものが一定の負担をするものであり、この度の利用料の軽減は利用者にむけた行政サービスとしている訳ですから、負担の在り方についても慎重に対応するべきだと考えます。
【4点目は】
キッズドームソライを対象として良いのか判断できないことです。
市に報告されているキッズドームソライの利用者数等の数字が、報告された担当課ごとに違いがあり、その数字の違いは大きく、また、企業がネット上で示している来場者数は年間85,000人の親子が訪れるとしています。
今議会における質問等で指摘されると、訂正が繰り返されており、事業設計の根拠となる利用者数の違いや集計時期の違いがあり、また、訂正された数字にも、根拠の分からないものがあり、正確な状況が把握できない状況になっています。
国に提出した書類によれば、事業実施における利用計画の目標人数は2023年度に113,430人になるとしていますが、年間営業日が300日だとすれば、1日370人が利用しなければ実現できない数値であり、この人数がどの様に実現されていく計画であったのか、採算ベースが何人なのか、など、議会はどの数値を基に判断すれば良いのか分からないのが現状ではないでしょうか。
【以上】
こどもの遊び場利用料軽減実証事業に関する課題を提起し、議会で出された多種多様の遊び場や遊び方について、再考するよう要望して、修正案に賛成の討論とします。