2024年6月定例会・総括質問(食文化創造都市の取り組み、マイナンバーカードと健康保険証の一体化)

●「食文化創造都市の取り組み」について

【質問①】
 本市は、ユネスコ食文化創造都市認定10周年をむかえており、これまで、地元食材ができるまでの物語にはじまり、昔と今の鶴岡の食文化の掘り起こし、国内外との交流、鶴岡の代表的な郷土食や行事食などを取りまとめて紹介するなど、多岐にわたって事業を展開しています。
 現在、和食に関する特別展示会と、鶴岡の食の魅力を伝える案内人・鶴岡ふうどガイドによるイベントを開催しています。
 本市の食文化について、さらに伝え広めていく必要があると思うが、次のステージにむけて、どの様な事業を検討しているのか。
【答弁①】
 令和元年に策定した鶴岡市食文化創造都市推進プランに基づき、「産業振興」「地域づくり」「交流拡大」を目標に、「つるおかおうち御膳の発刊」「料理教室の開催支援」など、郷土料理や行事食の継承と普及に力を入れてきました。
 今年度はユネスコ認定10周年を記念し、4月から全国巡回展の皮切りとして「和食展」を開催し、これと連携した笹巻きの体験講座などを通して、市民や観光客へ、本市食文化のPRを行っています。
 この他、12月に食文化フォーラムを開催し、食文化の再認識を図るとともに、海外創造都市の料理人との交流事業なども予定しています。
 今後は、本市の食文化をさらに広めていくため、現行の推進プランを見直し、令和7年度から始まる次期5カ年の推進プランを策定する予定です。
 食文化の継承や在来作物の生産維持による産業進行、ガストロノミーツーリズムの推進による交流人口の拡大につながる計画を策定し、市内外への一層の周知と参画を促進するための取り組みについても検討していきます。
【質問②】
 本市の郷土食や行事食について「つるおかおうち御膳」を発刊し、料理人による実演や市民参加による調理体験などの事業を開催して普及を図ってきたが、社会全体で地域の祭りや季節ごとの行事に参加する機会が少なくなり、家庭で郷土食や行事食を食べることが失われつつあるのではないかと思います。
 今年3月に開催された食文化創造都市推進協議会総会において、小豆と根菜類を炊いた郷土料理「いとこ煮」に関して「若い人には、ほとんど認識されていない、郷土食や行事食を広めていくことが大切」との意見がありました。
 地域や家庭で郷土食や行事食を受け継いでいくためには、地域の祭りや季節ごとの行事が継承されていくことが重要であると考えるが、本市ではどの様な取り組みをしているのか。
【答弁②】
 郷土食や行事食の継承にあたっては、地域の祭りや地域ごとの行事の継承が重要と考えています。
 地域の祭りや行事は五穀豊穣など、農林水産業の生産現場と関係するものも多いことから、農林水産業の振興を図り、地域コミュニティを維持していく取り組みを進めていきます。
 また、大学の専門家と連携して調査にも取り組み、本年3月に国登録無形民族文化財となった笹巻きの体験事業や担い手講座による継承の取り組みを進めています。
 「いとこ煮」など、特徴的な郷土食や郷土料理について、今後、市の公式YOUTUBEを活用するなど、広く周知し、継承につながる取り組みを実施していきます。
【質問③】
 本市の保育園や小中学校の給食で、郷土食や行事食を提供することにより、献立表を通じて保護者への周知を行い、食事を通して子どもたちの記憶にとどめてもらうことも、市民全体の認識を深めることにつながると考えます。
 本市の食文化を継承していくため、学校給食や保育給食と密接に連携しながら取り組みを進めていくことも必要と考えるが、市長はどの様に考えているのか。
【答弁③】
 学校給食発祥の地、食文化創造都市として、本市の学校給食や公立保育園給食において郷土料理や季節の行事食を提供しているほか、鶴岡産食材を使用した献立など、鶴岡らしい特色ある給食の提供に取り組んでいます。
 現在進めている新鶴岡市学校給食センター整備事業における整備基本計画の中で、学校給食発祥の地、また、食文化創造都市である鶴岡にふさわしい学校給食センターとなるよう特色を盛り込み食文化の継承に取り組んでいきます。
【最後に】
 ひと昔前の天神祭は、企業も市役所も午後から休んで、親戚や知人友人と食事をしながら、祭りを楽しむという風習があり、仕出し屋や寿司屋、小料理屋などから御膳を取り寄せたり、家庭の味をふるまうなど、食文化が賑わいを見せていました。
 地域の祭りによばられ(招待され)、天神祭や犬祭りによばる(招待する)など、地域ごとの祭りと食文化の交流もありました。
 現在、祭りや地域行事は形態が変わりつつあり、食文化の継承も希薄になっているのではないか懸念しています。
 次の10カ年の食文化推進事業において、市民に向けた取り組みも考えていただきたい。

●「マイナンバーカードと健康保険証の一体化の取り組み」について

【質問①】
 マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関連して「現行の健康保険証が2024年12月2日に廃止され、猶予期間1年間のうちにマイナ保険証に必ず切り替えなければならないのか」「作成が義務付けられていないマイナンバーカードを、所持していないことを理由に保険が適応されなくなるのではないか」など心配する市民の声があります。
 計画では、マイナ保険証を保有していない方に、保険者から資格確認書が交付されることに
なっており、市民の不安を払拭するために、概要を早急に周知する必要があると思うが、本市ではどの様な取り組みを予定しているのか。
【答弁①】
 本年12月2日から従来の健康保険証は廃止され、マイナ保険証に切り替えとなりますが、マイナ保険証の保有は任意となっています。
 そのためマイナ保険証を保有していない方が新たに国民健康保険や後期高齢者医療に加入された場合、これまでの健康保険証に変わる資格確認書を市から交付することになります。
 また、既に国民健康保険や後期高齢者医療に加入されている方で、マイナ保険証を保有していない方に、有効期限が令和7年7月末までとなる健康保険証を交付した後、令和7年8月1日からの資格確認書を交付することとしています。
 従いまして、従来の健康保険証が廃止となる本年12月2日以降も保険加入者は引き続き保険診療を受けることができます。
 このことについては、市のホームページの他、本年8月の健康保険証の送付の際にチラシを同封するなど周知を行ってまいきます。
【質問②】
 この事業は、健康保険証が使える猶予期間までのマイナンバーカード発行手続きやマイナ保険証と資格確認書の併用などの課題があり、制度移行期間において「健康保険証に関する相談」「資格確認書の発行手続き」など、行政事務量の増や複雑化が懸念されます。
 行政事務のスムーズな対応を図るための体制等をどの様に考えているのか。
【答弁②】
 まず、マイナンバーカードの交付については、現在、1日10件程度となっており、これまでマイナンバーカードの利用促進により申請が増えた際に、会計年度任用職員を任用し、時間外交付や休日交付の枠を増やすなど対応してきました。
そのため申請が急増した場合には、同様の対応を検討していきます。
 また、国民健康保険における事務については、本年12月以降、新規加入者でマイナ保険証を保有していない方には資格確認書を発行することとなりますが、現在の健康保険証の発行業務が置き換わるもので、作業量はそれほど変わらないと見込んでいまして、現状の体制で支障なく対応できるものと考えています。