2024年6月定例会・一般質問(子どもの遊び場、公共施設等の改善と予算、荘内病院の状況)

●「子どもの遊び場」について

【質問①】
 公園の設置、公園遊具の整備の考え方について、施設設備の公平性の観点など、どの様に考えているのか。
【答弁①】
 老朽化した危険な遊具は、昨年度に13公園19基の撤去を完了しました。
 公園遊具は設置から30年を経過したものが多く、今年度4月の定期点検で、新たに3公園4基の危険な遊具が確認され、現在は使用禁止にしており、修繕や撤去などの対応を検討しています。
 今後も点検を予定しており、危険な遊具が確認された場合は、同様な対応をしていきます。
 公園遊具の整備は、大規模・中規模な公園は町や学校を越え、多くの子どもが利用することから、大型遊具等を重点的に配置し、街区公園等の小規模な公園は、機能維持や長寿命化を図ることを基本としながら、保育園や小学校などが近隣にあり、利用者が多いなど優先度を勘案しながら進めていきます。
 整備については、地元住民や利用者等の意見を聞きながら対応していきます。
【質問②】
 子どもの年代や地域など、公平性の観点から、様々な部署の取り組みをトータルで検討する必要があると思うが、遊び場の整備をどの様に考えているのか。
【答弁②】
 子どもの遊び場については、全ての子どもが楽しく気軽に遊ぶことができる環境の整備が重要と考えています。
 遊び場整備が子どもの年代や居住地域などで不公平とならないよう健康福祉部を中心に、企画部や建設部、教育委員会など、他の部局とも連携して、総合的に遊び場整備の方針策定を進めていく必要があると考えています。
 また、本市は広大な面積であり、地域全てに新たな遊び場を設置することは、財政的、時間的にも課題があり、民間施設の連携や学校、スポーツ施設の活用も含めた検討も必要であると考えています。
 今年度、実施するソライ実証事業の際のアンケート項目にも盛り込み、子どもと子育て中の保護者の意見を聞きながら、実態の把握と検証を行っていきます。
 子どもの遊び場の整備については、子どもにとってより良い遊び場環境となるよう、子どもや子育て世代、専門家などからの様々な意見を踏まえながら、今秋を目途に屋内屋外の両面から整備方針を策定し、その後、具体的な整備を検討することにしています。

●「道路改良や交通安全施設の改善に要する予算」について

【質問】
 市道の現状を見ると、路面の穴など損傷個所の補修は迅速に実施しているが、根本的な改善につながっていないのが実態で、劣化によるひび割れや仮舗装による段差の解消が進んでいない箇所が多く見受けられます。
 市の道路改良や交通安全施設の改善が進まないのは、予算が不足しているのが原因で、従来通りの事業展開を見直し、新たな予算の確保を図る必要があるのではないか。
【答弁】
 本市で管理している市道は、令和6年3月現在で3,599路線、延長約1,529kmで、日常的な道路パトロールや住民から寄せられた情報を基に、路面の穴や損傷個所の補修などを行っています。
 道路拡張や歩道の設置、路面の全面改修など、根本的な改善につきましては、事業費が高くなり、箇所数も相当数となるため、毎年度、一定の事業費を投じて継続的かつ計画的に対応しています。
 一方で、補修や改修する箇所以上に舗装の劣化や施設の老朽化の進行が早く、緊急に修繕対応が必要な箇所の増加により十分に対応できていない箇所もあります。
 道路改良や交通安全施設の工事は、原材料費や燃料費、労務費などの物価高騰に加え、時間外規制等における働き方改革の影響もあり、近年は工事費が上昇している状況にあります。
 鶴岡商工会議所建設工業部会や建設業協会鶴岡支部から、実態に即した設計単価の見直しについて要望を受けています。
 限られた財源の中で、毎年度、計画的な道路改修を継続し、適切な道路の維持管理を行いながら安全性を確保するため、変化する構造物の劣化度合や、通行の安全性の速やかな状況を把握し、できる限り効率的な発注となるよう設計や計画段階から精査する必要があると考えています。
 新たな財源について、国や県に対し、維持管理予算の実態を訴えながら、市の実情にあった補助制度等の情報収集に努め、研究していきたいと考えています。

●「公共施設の修繕に要する予算」について

【質問】
 「大鳥自然の家」の屋根の残りの補修費について、今年度、予算化されていないが、継続して補修をするべきと考えます。
 また、子どもの遊び場について、遊具等がサビ付いており、危険標示テープが外せないものもあるが、ソライの利用料軽減以前に対処するべき事業だと思います。
 他にも修繕が必要と思われる公共施設があるようだが、このままの状態で良いのか。
【答弁】
 全国的に高度経済成長期以降に集中的に整備されました公共施設等の老朽化が進み、本市でも多くの公共施設等の適正な維持管理が課題となっています。
 公共施設等の修繕については、老朽度や利用状況、事業費も考慮しつつ、全面的な改修とするか部分的な修繕とするかも含め、検討が必要となります。
 公共施設等の修繕に要する予算については、対象となる施設の老朽度や安全性の確保など、緊急性また財源確保の見通しと総合的に勘案して、優先順位を判断し予算に計上しています。
 限られた財源の中で、各部署の修繕等を望む全ての案件を予算化することは、現実的には難しいところで、優先順位に基づいて、予算措置をしていかざるを得ない状況にあります。
 令和6年度の予算で、公共施設等の修繕料として、工事費とは別ですが約4億8,000万円を当初予算に計上し、一定の配慮をしている状況にあります。
 年度の途中において、劣化や災害などにより、突発的に施設の破損や設備の故障などが発生し、市民の利用に支障をきたすような場合、既決の予算の中で、改めてやりくりし必要な対応を行っています。

●「荘内病院の状況」について

【質問】
 令和3年度、県の保健福祉統計年報によると、本市における死因の内訳で割合の高い疾病として、悪性新生物、心疾患、脳血管疾患、肺炎が挙げられています。
 市民のための医療体制の強化にむけて、悪性新生物、肺炎に対する取り組みは認識しているが、心疾患、脳血管疾患への対応については、現状どの様になっているのか。
【答弁】
 心疾患に関しては、救急搬送において心電図を測定し、各病院へ伝送するシステムを運用しており、速やかな診断と治療につなげています。
 当院には内科系の循環器医しかいないため、心臓血管手術が必要となった場合には、日本海総合病院などで手術を行っていただき、様態が安定した後の加療リハビリ等について、当院で入院診療を提供しています。
 手術をすることが不要な心不全については、誤嚥性を含む肺炎の診療と同様に、地域包括ケアパスでの運用を開始し、鶴岡田川三病院で役割分担しながら、診療していく体制を構築する予定です。
 脳血管疾患についてですが、脳卒中等で手術が必要な場合は、脳神経外科医が手術を行っており、手術が不要な急性期的な治療は、脳神経外科医のほか、神経内科医などの医師も治療に当たっています。
 鶴岡地区医師会中心で運用しています脳卒中連携パスに、当院も参画しており、当院での急性期治療後のリハビリについては、市内2つのリハビリテーション病院のいずれかに転院しています。