2023年12月定例会・総括質問(かたくり温泉ぼんぼ営業再開に向けた取り組み)
●「かたくり温泉ぼんぼ」営業再開に向けた取り組みについて
【質問①】
平成28年度「鶴岡市行財政改革大綱に基づく実施計画」において、閉館することが示されましたが、朝日地域の交流の場である温泉施設の存続を求める住民との話し合いにより、平成30年度から「ぼんぼ管理運営組合」に光熱水費相当分の金額で委託し、施設の運営を続けることに本市は合意しました。
令和元年度まで年間6万人前後の利用者数があり、運営を維持してきましたが、コロナ感染拡大による利用者数の減少から、令和3年度に約250万円あまりの赤字に転じたことなどから、令和4年11月末「ぼんぼ管理運営組合」は営業の継続を断念しました。
令和5年度に、朝日地域の住民が新たに立ち上げた「NPO法人こみっとAFC」が8月11日~11月11日まで、試験営業を試みるなど、朝日地域の住民が施設の運営に向けて努力をしていますが、「かたくり温泉ぼんぼ」の活用について、本市はどのように考えているのか。
【答弁①】
「ぼんぼ」は条例廃止により行政財産から普通財産となった後、地域住民による管理運営組合の運営となり、いきいきぼんぼの会による「介護予防・健康増進事業」、市が推奨する「いきいき百歳体操」の実施など、地域住民が集う健康づくりの拠点としての役割を果たしてきました。
この度の利活用を目的に実施しましたトライアル事業の結果は利用者数が目標を上回るなど、地域にとって必要な拠点施設であることが確認できたことから、今後、公募により本格運営する事業者の選定を予定しています。
また、再開後も温泉運営への支援に加え、温泉施設を活用し、実施してきました「介護予防・健康増進事業」について、引き続き支援していきたいと考えています。
【質問②】
市民フォーラムは「かたくり温泉ぼんぼ」の運営を維持していくには、これまでの入浴温泉だけで営業していくには限界があり、源泉を入浴以外に活用することが必要だと考え、10月に三重県桑名市にあるニューハートピア温泉の「天然温泉を活用してトラフグを養殖している取り組み」を視察してきました。
温泉成分の塩分とミネラルの豊富さを利用し、トラフグ、ウナギ、サツキマスなどの温泉養殖を行っており、温泉養殖で育った魚を施設の食事として提供、冷凍機器の導入により流通販売も行っていました。
また、養殖に適した水温は20度前後で、49度の源泉を冷却するため、イチゴのハウス栽培を活用して温度を下げていました。
この度の視察で「余剰の温泉水がもったいない」「養殖事業に活用出来ないか」「地道な実験の繰り返し」「アイデイアと行動力」「従業員の熱意」など、温泉の利活用が営業の促進に繋がっていることを学んできました。
「かたくり温泉ぼんぼ」は、温泉を活用した住民の健康福祉施設として建設されたため、簡素な施設となっているなど、温泉営業だけでは限界があり、普通財産の施設ですが、入浴施設としての改修と余剰の温泉水を利活用しての事業展開を図り、温泉施設に付加価値をつけるための支援が必要と考えますが。
【答弁②】
議員から温泉施設に付加価値を付けることについて、視察における事例紹介をいただき、大変重要な視点と受け止めています。
これまで「ぼんぼ」を運営する過程で、市が源泉を販売し、地域内事業者が地域特産品「ゆどのの山塩」の開発製造した事例もありますが、まだまだ可能性を活かしきってはいないのではないかと考えています。
「企画を実現していく行動力」「アイディアを実施していく熱意」などの紹介もあり、事業者自らが収益性のある事業を検討する際の意見を聞き、本市も研究をしていきます。
【質問③】
「かたくり温泉ぼんぼ」は旧朝日村が整備費約3億2,400万円をかけて、平成5年12月に開設した施設で、温泉を活用した住民の健康福祉施設として建設しました。
平成23年7月、本市は「鶴岡市行財政改革大綱に基づく実施計画」において、日帰り温泉施設「ぽっぽの湯」「やまぶし温泉ゆぽか」「くしびき温泉ゆ~Town」「かたくり温泉ぼんぼ」の四つの施設について「機能と運営手法を見直し、指定管理者制度の活用や施設の譲渡・貸付により、利用者や民間による運営について取り組む」という方針を示しました。
令和3年3月、本市は「鶴岡市行財政改革実施計画」において、温泉入浴施設「ぽっぽの湯」「くしびき温泉ゆ~Town」の二つの施設について、市民の利便性向上、地域活性化につながる業務見直しとして「地域に精通する地元密着組織が運営し、庁舎支所長を運営支援の責任者と位置付け、行政がバックアップすることで健康増進事業などの積極的な展開を図り、利用者数の回復と市負担の軽減を図る」という方針に変更しました。
「かたくり温泉ぼんぼ」は普通財産として位置づけられましたが、条例廃止後も「ぼんぼ管理運営組合」が温泉運営とともに、施設設置の目的である介護予防事業や各種イベントを継続して取り組んできました。
令和3年に健康増進事業などの積極的な展開を図ることとした「ぽっぽの湯」「くしびき温泉ゆ~Town」と「かたくり温泉ぼんぼ」は、施設運営の目的が同じものになってると考えますが、本市における四つの温泉施設の位置づけについてどのように考えているのか。
【答弁③】
「ぽっぽの湯」「ゆ~Town」は、令和3年度より利用料金による運営から委託料による運営へ移行し、第3セクターから地域密着組織に運営を移管して、観光施設から健康増進施設に位置付けを変え運営を行ってきました。
その際、運営継続の判断基準として経営指標となる入浴者数を「ぽっぽの湯」11万7千人、「ゆ~Town」8万人と設定し、この指標を3年連続して下回った場合に行政財産から普通財産への移行を検討し、5年連続した場合は施設の廃止を検討する明確な方針を示し、施設のあり方は庁内運営戦略委員会等で検討していくこととしました。
今後も、燃料費光熱費の高騰とともに施設老朽化による修繕費等の増も見込まれますので、入浴者数の動向や運営経費の状況等を注視していきます。
「ゆぽか」は、第3セクターの運営による民間のノウハウを取り入れた自由な経営ができる利点を生かし、食堂や宴会等、他部門の利用拡大も図りながら羽黒地域の観光振興にもつながるよう誘客機能の発揮に努めていきます。
3つの温泉施設については行政財産として、今後とも有効活用を図っていきます。
「ぼんぼ」は、行政財産から普通財産となった後も地域住民が主体となって管理運営が行われ、介護予防・健康増進事業を継続して取り組んできました。引き続き施設を活用した朝日地域における健康福祉の向上、地域振興、コミュニティ形成に資する地域活動を支援していきたいと考えています。
【質問④】
「かたくり温泉ぼんぼ」の温泉利活用トライアル事業を踏まえ、営業再開に向けた施設設備の修繕及び点検経費の補正予算が計上されていますが、この事業を地域まちづくり未来事業(朝日)で実施することにした主旨はどのようなものか。
【答弁④】
地域まちづくり未来事業は地域が個性を発揮して、その魅力を高めていけるよう地域の意見を反映し実施しています。
本議会に計上している補正予算については、修繕及び点検にかかるものとなっていますが、これまでも普通財産となっている「ぼんぼ」を活用した地域活動への支援として、温泉を運営していました管理運営組合に対して、光熱費等相当分の支援を地域まちづくり未来事業として行っています。
この度の修繕及び点検についても普通財産である温泉施設を活用して地域活動に取り組むうえで必要となることから、地域まちづくり未来事業として実施するものです。