2022年6月定例会(一般)

市職員のハラスメント対策について
【質問①】
 公益通報者保護法の一部改正を受けて、通報者を的確に保護するため、どのような対応を行ったのか。

【回答①】総務部長
 令和4年6月1日、不正の早期是正と被害の防止を図るため、公益通報者保護法の一部が改正施行されました。
 事業者に「内部通報に適切に対応するために必要な体制の整備」「実効性確保のための行政措置の導入」「内部調査に従事する者に対する情報の守秘」が義務付けられ、通報を行いやすくするための条件の追加と、通報者の保護の強化が明文化されました。
 法改正を受け、本市は新たに外部公益通報等の取扱いに関する要綱を制定したところです。
 また、すでに制定しています内部通報の処理及び公益通報者の保護等に関する要綱についても、公益通報者保護法の改正に合わせ、国の指針及びガイドラインに従い、必要な改正について、現在、検討を行っているところです。
 なお、鶴岡市職員のハラスメント防止に関する規程においても「相談者や調査協力者の保護」「不利益な取り扱いを禁止する」など、通報者の保護を明記しており、今後も厳守していきます。

【質問②】
 ハラスメント処理委員会は、どの分野の専門家等を含めた構成にしたのか。

【回答②】総務部長
 ハラスメント処理委員会は、鶴岡市職員のハラスメント防止に関する規程第6条により設置され、副市長を委員長に、各部の任命権者等の職員で構成し、苦情相談の内容について「適切な調査」「事実の有無の審査」「必要な対応を行う」と規定しています。
 今回、処理委員会の機能向上を図り、より適切な対応につなげていけるよう、案件に応じて必要な医師、臨床心理士、弁護士等の専門家から、専門的知見による助言を受けられるよう規定の改正を行ったところです。

【質問③】
 令和3年度のハラスメントが疑われた相談件数と対応について。

【回答③】総務部長
 市長部局及び病院、消防、上下水道部、教育委員会など、行政委員会を含めた市全体で3件となっています。
 個人の特定につながる恐れがありますので、詳細については控えさせていただきますが、それぞれの人事担当部署で状況を確認し、改善に必要な対応を行っています。

【再質問③】
 ハラスメントが疑われた相談については、市長、副市長などと内容を共有しているのでしょうか。

【再回答③】総務部長
 相談は所管人事担当が行っており、総務部長まで報告を受けているところです。

【再質問③】
 令和元年度の4件、令和2年度の5件、令和3年度の3件、この相談内容については、本人の希望により、規定によるハラスメントの相談の申出までには至らなかったという回答ですが、市長、副市長との情報の共有はされなかったということになりますか。

【再回答③】総務部長
 その通りです。

【質問④】
 パワハラを受けたと感じている職員がいるなかで、ハラスメント処理委員会はどのような対応を考えているのか。

【回答④】総務部長
 鶴岡市職員労働組合ではパワハラの実態を把握し、より働きやすい職場をつくるため、今年3月24日から4月8日までの間、管理職を含む正職員975名を対象にパワハラ等に関するアンケートを実施し、271件の回答があったと伺っています。
 市長、管理職、上司、同僚、部下からパワハラ等に関する何かしらの行為を受けた、または、見た聞いたの合計が223件で、そのうち、市長と回答したものが89件あったと聞いています。
 ハラスメント処理委員会は、職員より苦情相談の申し出があり、同委員会での処理を希望する場合等に開催します。
 委員会に相談があった場合、的確に対応ができるよう相談の内容に応じて、弁護士等外部の専門家に意見を求めることができるよう規定を見直したほか、管理職をはじめとする階層別の研修会の機会などを捉え、ハラスメント防止の内容を加えるなどの対応を講じています。
 また、今年8月をめどに産業医、衛生管理者、職員労働組合推薦の職員などで構成される衛生委員会等の意見も聞きながら、ハラスメント防止ガイドラインを作成するほか、気軽に相談できる窓口などの態勢づくりを進めるなど、職場環境改善の対応、対策を講じながら、ハラスメントの無い明るい職場風土の醸成につとめていくこととしています。

【質問➄】
 市長として、どのような対応を考えているのか。

【回答➄】市長
 先般実施された職員労働組合のアンケートにおいて、市長、管理職、上司、同僚、部下からパワハラ等に関する何かしらの行為を受けた、また、見た聞いたとの回答があったと承知しています。
 議員から先日の総括質問の際に職員の事務量に関する質問がありました。市役所が担う仕事が高度化、複雑化し、災害などの対応を含め、新たな行政課題の対応が迫られる中で、ハラスメントの防止を含む職員が安心して働くことができるような対策をさらに強化充実させていく必要があると認識しています。
 また、ハラスメントのない明るく働きやすい職場づくりに向け、本件に関する事項の対応の優先度を上げて、職員労働組合の皆様とも連携して、私も含む関係者の意識向上職場環境の改善に全力で取り組んでいきます。

【再質問➄】
 市長にお聞きしたかったのは、先ほど「業務上必要かつ相当な範囲」と話をしましたが、市長は上司にあたり、部下がどういう 気持ちで、市長と対応しているかということが大きなカギになってくると思います。
 明るく生き生きとした職場づくりを作っていきたいという答弁ですが、現実に89名の方が市長によるパワーハラスメントとして受け取っている、若しくは、見聞きをしたと言う回答になっているわけでですから、この点に対する市長の考え方をいただきたいのですが。

【再回答➄】市長
 市民の皆様の幸せの為に誠心誠意働いてきました。
 職員に指導助言することについても、引き続き活発に意見を交換できる組織を目指してさらに取り組んでいきたいと考えています。

【再質問➄】
 アンケートの結果を踏まえ、どのように気持ちが変わったかということを聞きたかったのですが、これまでと同様の答弁で非常に残念です。
 現在、市長によるパワーハラスメントが疑われる行為により、精神的若しくは肉体的に苦痛を感じている職員がいるのは明らかで、職員が安心して働くことができるように制度の強化だけでなくて、具体的な対策を講じる必要があると思いますが、最後にどのように考えているのか改めて伺います。

【再回答➄】市長
 ハラスメントに関して、市が把握している件数などについては、議会答弁により件数などについては聞いており、その中で私に関するものについては無いということも聞いています。
 労使関係の課題で、組合も職場環境の改善に向けて、この度アンケートを取ったと周知していますので、本日、答弁させていただいた通り労働組合の皆様とも連携して、私を含む関係者の意識向上職場環境の改善に向けて全力で取り組んでいきたいと考えています。

【最後に】
 本市における企業では、改正労働施行総合推進法により、事業主が職場におけるハラスメントの防止対策を強化していると聞いています。
 本来であれば、本市が率先して取り組みを示す課題だと思います。
 市長に係るパワーハラスメントが疑われる問題が持ち上がったことについて、市長自ら真摯に受け止め、ハラスメント防止の撲滅のために取り組みを進めていくことを要請して、発言を終了します。