2022年2月議員説明会(新政クラブ)

報道の内容(新政クラブ所属の5人が不備を認め、適正な修正を)
 2月2日、3日に鶴岡市議会の政務活動費(政活費)を不適切に受給している議員について、マスコミ各社の報道がありました。
 自民党系最大会派である「新政クラブ」が、市議会に提出した政活費(2019年度分)は、市議会内規の「政務活動費の手引き」に反しており、本来は認められない活動に対する自家用車のガソリン代受給や領収書の記載に、不明瞭な点があるというものです。
議員全員協議会の開催を要請(重要な問題について検討するための会議)
 市民フォーラム(2名)と無所属議員(1名)は「公の場で事実関係を明らかにする必要がある」として、市議会議長に議員全員協議会を開催するよう要請しました。
新政クラブは議員説明会を希望(市議会議長の判断で、議員説明会に変更)
 新政クラブの団長は「該当議員の報告書に不備があり、領収書を取り直させる」「状況を把握して全議員に説明したい」として、市議会議長に再度の説明会開催を要請しました。
令和4年2月16日の議員説明会
(1)新政クラブ団長「政活費に疑念を抱かせる事態を招いたことに陳謝・説明」
   報道された「ガソリン代の明細の不備や実際と異なる単価を用いた領収書」「宛
  名を自筆した領収書」については、事務手続き上の不備であり、明細の添付や再発
  行により修正を行いたい。政活費を過大に受給する意図はなかった。
(2)市民フォーラム・石井議員「単なる明細の不備だけでないとの指摘」
 【質問】通院していた家族の案内による病院視察との報告とあるが、受付窓口での聞
     き取りは政務活動として適切なのか。
 【回答】関連する課題を市議会でも質問している。報告書もあり適切だと思う。
 【質問】入学式の出席は政務活動の対象外となっているが。
 【回答】入学式前に学校の運営状況の聞き取りをしている。
 【質問】懇談会や地域会合などは、飲食がメインの交流会で対象外と思われるが。
 【回答】会費は該当しないとあるが、情報交換の場に出席することは議員活動と考え
     ている。
 【質問】自ら出演した音楽イベントに関係すると思われるものがあるが。
 【回答】鶴岡市でも開催できないか、出演前にイベントの概要について聞き取りをし
     ている。
 【質問】公務による市役所での会議日に、市内施設の視察をしているものがあり、二
     重請求として不正請求の疑義がある。
 【回答】手帳など日程を確認して、後日、回答していきたい。
(3)新政クラブ団長「指摘された事項を再調査し、改めて議員説明会を行いたい」
令和4年2月24日の議員説明会
(1)新政クラブ団長「政活費に関する再調査した結果報告」
   前回の議員説明会以降、再調査をして明らかになったのは次の事項で、条例や公
  職選挙法に照らし合わせて、受給額が多かった金額について、返還できるか確認し
  ていきたい。
 ① 報道している車賃の一部に公務より支給される費用弁償との重複があった。
 ② 飲食を主目的とする会合出席時の車賃等、手引きに沿わないものがあった。
 ③ 車賃に走行距離の誤記載があった。
 ④ 領収書に一部過大請求があった。
(2)市民フォーラム・工藤議員「政活費の手引き改正に対する認識」
 【質問】議会事務局から、政活費の手引きを改定した内容の説明があったと思うが。
 【回答】会派代表と経理責任者に説明はあった。
 【質問】「手引きに強制力はない」「過渡期だ」と報道されているが、改定内容につ
     いて、会派議員に周知しなかったのか。
 【回答】会派内で議員への周知はしなかった。経理責任者にほぼ任せきりであった。
(3)新政クラブ団長「返金について確認したいので、時間をいただきたい」
鶴岡市議会議員政治倫理審査会
 新政クラブの2度の説明で不明確な点があるため、鶴岡市議会議員倫理審査会が設置されました。
「政務活動費の手引き」見直しを確認
 会派代表者会議において、現在運用している「政務活動費の手引き」を3月中に見直し、4月から対応することが確認されました。
政務活動費について(鶴岡市議会政務活動費の交付に関する条例)
【政務活動費として活用できる経費の範囲】
 政務活動費は、会派及び無会派議員が行う研究研修、調査、広報、公聴、住民相談、要請、陳情、各種会議への参加等市政の課題及び市民の意思を把握し、市政に反映させる活動その他の住民福祉の増進を図るために必要な活動(以下「政務活動」という。)に要する経費として、別表(研究研修費、調査旅費、広報費、公聴費、要請・陳情活動費、資料作成費、資料購入費、人件費、事務所費、通信費)に定めるものを交付する。

【政務活動費の活用方法は会派によって異なる】
(1)政務活動費は、会派ごとに人数分と月数分(基本は6月ごと清算)を交付。
(2)会派の人数が多い場合、会派全体の活動に対する1人あたりの費用が少なくて済
  むため、他の活動に活用することが出来る。
   例えば、会派人数が10人の場合は
 ① 政務活動費(会派) 180万円(1人あたり月額3万円×6月×10人)
 ② 会報発行(1回分)  40万円(印刷代30万円、新聞折込代10万円)
 ③ 会派会計(残額)  140万円(他の政務活動費として活用出来る)
(3)会派の人数が少ない場合、会派全体の活動に対する1人あたりの費用が多くなり
  不足した費用を議員が持ち出すことになる。
   例えば、会派人数が2人の場合
 ① 政務活動費(会派)  36万円(1人あたり月額3万円×6月×2人)
 ② 会報発行(1回分)  40万円(印刷代30万円、新聞折込代10万円)
 ③ 会派会計(不足)    4万円(議員の持ち出し)

【政務活動費はインターネットで公開】
 政務活動費は鶴岡市役所のホームページで公開されています。